「家を建てる費用っていくらくらい必要なんだろう?」
新築一戸建てのマイホームを購入しようと検討している家庭なら、「おおよその目安でもいいから、平均的な予算や頭金の相場が知りたい」と考えているのでは?
家の坪数や設備のグレードをどの程度にするかによって予算は変わりますし、「土地あり・土地なし」も総費用額を大きく左右する要素になります。
ですが、どのくらいの予算でどんな家を建てることができるのかイメージしづらいと思います。
そこで今回は、新築マイホームを賢く建てる為に、
- 費用の内訳や平均相場
- 事前に準備しておきたい頭金
- 家を安く建てるコツ
などなど、家を建てる「お金」にまつわる話をお伝えしていきます。
あらかじめ必要となる費用相場を把握しておくことで、自分に合った予算も立てやすくなりますので、是非チェックしておきましょう!
家を建てる費用と平均相場
家を注文住宅で建てる場合に最も重要なポイントは、頭金の準備も含めてしっかりとした予算・計画を立てることです。
予算や計画を立てる為には、まずは家を建てる為にどのくらいの費用が必要になるのか、ある程度で良いので”家とお金”について把握しておくことが大切です。
建築費の相場を知ることで、あなたの希望するマイホームプランがいくらぐらいの金額になるかが分かり、予算を立てやすくなります。
すでに「家を建てる予算としてはこのくらい」と想定している金額があるのであれば、その予算でどのような間取りが可能なのか、住宅会社によってはどのくらいまで安い費用で見積もってもらえるのかなど、ひとまず先に”一括見積もりサービス”を活用してしまう方法もあります。
注文住宅で家を建てるときに必要となるお金には、下記の費用がかかりますので確認しておきましょう。
注文住宅で家を建てるお金について必要な費用と内訳
家を建てる為には「お金がたくさんかかるんだな~」ということはざっくりと感じていると思いますが、どんな費用にどのくらいの費用が必要になるのかよく分からないという方も多いのでは?
家を建てる時に必要な費用としては、
- 本体工事費・建築費(本体価格)
- 付帯工事費
- その他諸費用
上記3つに大きく分けることが出来ます。
この中でも最も大きなウエイトを占めるものが、「本体工事費・建築費(本体価格)」です。
一般的に、総費用額のうち約7割を本体工事費が占め、付帯工事費(約2割)とその他諸費用(約1割)で残りの3割を占めるとされています。
例えば総費用が4,000万円で一般的に言われる7:2:1の比率だと仮定してみると、本体工事費2,800万円、付帯工事費800万円、その他諸経費に400万円、という計算になります。
4,000万円の予算のうち、家自体にかけられるお金は約7割となる2,800万円だけということに…。
付帯工事費やその他諸費用を考慮せずに、予算まるごと家本体に費用をかけてしまうと、予算を大きくオーバーしてしまいます。
それぞれの内訳は下記の通りです。
- 1.本体工事費・建築費(本体価格)-[約7割]
- 家(建物)本体にかかる工事費用や建築費用です。
- 2.付帯工事費-[約2割]
- 建物本体にかかわらない部分全ての工事費用です。電気・ガス・水道の配管、基礎補強や地盤整備・改良、造成工事、外構設備(エクステリア・ガレージ・庭)などが該当します。
- 3.その他諸費用-[約1割]
- 家を建てる際の各種調査費用、支払いにまつわる各種手数料、保険料や引越し時に必要になる費用です。住宅建築に必要なお金ではないので、住宅ローンの借入額に入れることができませんので自己資金から捻出する必要があります。
その他諸費用には下記のようなものがあります。
- 土地購入にかかる仲介手数料
- 司法書士及び土地家屋調査士費用
- 地鎮祭・上棟式費用
- 測量・地盤調査費用
- 金融機関へ支払う各種手数料
- 団体信用保険
- 水道加入費用
- 火災保険料
- 各種登記費用
- 建築確認申請費用
- 近隣あいさつ費用
- 家具・家電・照明・カーテンなどの購入費用
- 仮住まい家賃
- 引っ越し費用
みんなはどんな家を建てている?広さ(坪数)と建築費用の平均相場
家を建てる際にはどのような費用が必要になるのかイメージ出来たところで、次は実際に家を建てた人達がどんな家を建てているのか、住宅金融支援機構のデータを元に見ていきたいと思います。
データによると、首都圏・東海圏・近畿圏・その他の地域の「家を建てた建築費用の相場と住宅面積」は下記の通りとなっています。
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城)
建設費用 | 住宅面積/坪数 |
---|---|
3,521.0万円 | 127.8㎡/約38.6坪 |
近畿圏(大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山・福井)
建設費用 | 住宅面積 |
---|---|
3,271.7万円 | 128.5㎡/約38.8坪 |
東海圏(愛知・三重・岐阜・静岡)
建設費用 | 住宅面積 |
---|---|
3,358.2万円 | 132.8㎡/約40.1坪 |
その他の地域
建設費用 | 住宅面積 |
---|---|
3,028.2万円 | 129.6㎡/39.2坪 |
参考資料:住宅金融支援機構
こちらのデータは、土地取得費用が必要のない「すでに土地を取得している新築一戸建ての購入者」の費用と家の広さの平均相場です。
地域ごとに多少の差はありますが、全国的に家の建築費用に3,000万円~3,500万円、住宅面積(床面積)は130㎡(約40坪)となっている事が分かります。
さらに詳しい費用相場については、下記の記事を参考にしてください。
もし、40坪ほどの大きさの家を建てたいと考えている場合、おおよそですが3,000万前半くらいの費用はかかりそうだと判断することが出来ますね。
上記の平均相場を基準にすることで、
「40坪よりも小さい家を建てるとすると3,000万円以下に費用を抑えることが出来そう」
「40坪よりも大きい家を建てるとすると3,500万円を超える費用がかかりそう」
などの予想がしやすくなります。
実際にはどんな家になる?建築費用の予算別の実例
予算1000万で家を建てる間取り実例
- 建築費用(本体価格+外構工事費):1,000万円前半
- 間取り:3LDK
- 延床面積:76.50m²
- 予算1,000万円の家の特徴
- 建築費用を1,000万円前後に抑えたいというニーズは多いです。実際に1,000万円ほどで家を建てることができるハウスメーカーや工務店をすぐに見つけることが出来ます。ただ上記の例のようなローコスト住宅は、断熱性や気密性を考えると「それなり」のものになってしまう可能性は否定できません。ですが、極端に品質に不安を感じる必要はなく、建材の質を上げる代わりにシンプルな外観デザインや間取りで工夫し、工期短縮などで費用を抑えることが可能です。
参考データ:不動産情報サイト アットホーム
予算2000万で家を建てる間取り実例
- 建築費用(本体価格+外構工事費):2,000万円前半
- 間取り:3LDK
- 延床面積:112.62m²
- 予算2,000万円の家の特徴
- 建築費用の予算を2,000万円前後まで引き上げることで、延べ床面積も100㎡を超える広い家を建てることも視野に入れることが可能になります。ですが、建材のグレードや設備などのオプションを全て希望通りに進めることは難しいかもしれません。建築費2,000万円ゾーンの家を建てる場合は、譲れない条件や希望と諦めることができる条件のメリハリをしっかりつけることで、満足できる家づくりが実現しやすくなります。2,000万円の予算があれば、ローコスト住宅だけでなく大手ハウスメーカーにも依頼できる予算と言えるでしょう。
参考データ:不動産情報サイト アットホーム
予算3000万で家を建てる間取り実例
- 建築費用(本体価格+外構工事費):3,000万円弱
- 間取り:4LDK
- 延床面積:105.49m²
- 予算3,000万円の家の特徴
- 家を建てる予算として3,000万円を準備できるのであれば、延床面積100㎡以上は確実に確保できる上に、断熱性・気密性の面で見ても満足できるグレードの建材で家づくりが可能です。また、マイホームの魅力でもある外観デザインにこだわる余裕も出てくるでしょう。システムキッチンもトーヨーキッチンなど高価格帯のメーカーは難しいかもしれませんが、トクラス・LIXIL・パナソニック・クリナップあたりであればプランに取り入れることも可能です。外壁や床材の選択肢も広がる価格帯と言えます。
参考データ:不動産情報サイト アットホーム
予算4000万で家を建てる間取り実例
- 建築費用(本体価格+外構工事費):4,000万円前半
- 間取り:4LDK
- 延床面積:126.27m²
- 予算4,000万円の家の特徴
- 予算4,000万円は、注文住宅のメリットを最大限に発揮できるゾーン。家を広く建てることができるだけでなく、床暖やエコ給湯、全館空調システムなどの設備を充実させることも可能になりますし、屋根一面に太陽光パネルを設置することも。また、外装・内装共に幅広いプランを見据えて予算を立てることができるので、全面に無垢材を取り入れた部屋作りや高級感のある床材を使用したりと、住み心地の良い満足のいく家を建てることが出来るでしょう。
参考データ:不動産情報サイト アットホーム
みんなの家を建てる購入予算の相場はどれくらい?
ここで気になるのは、みんなは家を建てる時の購入費用の予算を、どのくらいで計画しているのかということですよね。
当サイトでアンケートを行ったところ購入予算の相場は、
- 世帯年収500万円の家庭で「平均3,257万円」
- 世帯年収700万円の家庭で「平均3,817万円」
- 世帯年収1,000万円の家庭で「平均4,292万円」
という結果となりました。
特に注目すべきは「世帯年収500万円の家庭」の予算です。
世帯年収500万円というと、日本の世帯平均年収(541.9万円)に近いので※1、平均的な所得の家庭と言えます。
現在、世帯収入が年500万円前後あるのであれば、3,000万円~3,500万円を家づくりの予算金額として検討してみると良いでしょう。
※1…参照データ:厚生労働省-各種世帯の所得等の状況
平屋の家を建てると費用はどれくらい?
家を建てたいと考えている人の中には、以前から根強い人気があり最近さらに注目されている「平屋住宅」を検討している方もいるのでは?
ただ、普通の一戸建てとは費用の相場が少し異なります。
ここでは、【注文住宅×新築平屋】坪単価はどのくらい?実例でみる価格相場で当サイトが調査した「30坪3LDK・40坪4LDK」の平屋の建築費のコストや、家の床面積の平均的な相場についてご紹介します。
30坪/3LDKの平屋を建てる費用相場
建築費のトータル費用 | 約2058.6万円 |
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建築費の床面積 | 96.2㎡(約29坪) |
※30坪/3LDKの平屋の物件情報30件の平均相場
40坪/4LDKの平屋を建てる費用相場
建築費のトータル費用 | 約2563.4万円 |
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建築費の床面積 | 127.9㎡(約38坪) |
※40坪/4LDKの平屋の物件情報30件の平均相場
30坪と40坪の平屋を比較してみると、坪数が広い方が坪単価を下げられる傾向にあります。
平屋は広い土地が必要なため、家を建てる時の選択肢としてはハードルが高くなりますが、バリアフリーや快適な生活動線が魅力です。
また、狭くなると思われがちですが、間取りプランによっては開放的なリビングやオープンデッキを設けることもできますので、アイデア次第と言えるでしょう。
新築で建てる平屋については、下記の記事に詳しく書いていますのでよかったらご覧ください。
家を建てる費用も「土地あり・土地なし」でこんなにも違う!
ここまで、家を建てる建築費用にスポットを当ててご紹介してきましたが、家を購入する際に土地を所有している人ばかりではありませんよね。
- 土地をすでに所有しているのか
- 家を建てると同時に土地探しも必要なのか
によって、同じ新築購入でも必要になる費用は大きく異なります。
では実際に、土地探しから必要となる場合はどのくらいの予算が必要になるのでしょう?
「土地あり」と「土地なし」の注文住宅の資金の相場を比較してみると…
住宅金融支援機構のデータを参考に、
- 土地あり(土地を持っている状態で家を建てる場合)
- 土地なし(土地取得と同時に家を建てる場合)
の購入費用の相場を比べてみると、全国平均で「土地ありの購入者:3,274.2万円」「土地なしの購入者:3,944.6万円」と約700万円の差。
首都圏では「土地ありの購入者:3,586.0万円」「土地なしの購入者:4,666.8万円」と約1,100万円も購入資金に差がでていることが分かります。
家を建てる費用の一般的な相場としては、土地ありと土地なしでは700万円も予算の差があるので、土地なしの場合は金銭的に大きなハンデを抱えることになります。
ですが、土地をすでに所有している土地ありのケースでは、現在建っている家を建て替えたい人も中にはいますので、その場合は解体費用や仮住まいの家賃など別途資金を用意しなければなりません。(参考記事:【一軒家・戸建て住宅】新築への建て替え費用は?坪数別での平均相場)
次で詳しいデータとしてまとめていますので、全国平均と主要都市圏の家の購入金額を比較してみましょう。
土地ありで家を建てる資金
全国平均 | 3,274.2万円 |
---|---|
首都圏 | 3,586.0万円 |
近畿圏 | 3,288.1万円 |
東海圏 | 3,377.5万円 |
その他地域 | 3,066.4万円 |
土地なしで家を建てる資金
全国平均 | 3,944.6万円 |
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首都圏 | 4,666.8万円 |
近畿圏 | 4,081.7万円 |
東海圏 | 4,075.2万円 |
その他地域 | 3,506.6万円 |
土地購入費用は地域差が大きく影響する
土地の購入が必要な場合は、土地ありで家を建てる人に比べて大きく予算が膨らみますが、住んでいる地域によっては家の大きさが全然違うものになります。
特に首都圏はその傾向が顕著に表れます。
例えば、首都圏で家を建てる場合に土地坪単価が70万円なら、35坪購入するとそれだけで2,450万円必要になります。
首都圏の平均資金金額が4,666万円ですので、差し引くと2,216万円しか残りません。
土地ありの家庭が「3,586万円」を家の建築費用に充てることが出来るのに対し、土地なしの家庭は予算をプラス1,000万円以上準備しているにもかかわらず、「2,216万円」しか家の建築費用に充てることが出来ません。
土地価格が高騰している各都市の都心で家を建てる場合には、建築費に回せる費用に大きなハンデを抱えることに!
家づくりで失敗しない為には、土地探しや家づくりの緻密なプラン計画が必要になりますよ。
※土地ありのマイホーム購入者でも、現在その土地に家があって建て替えで新築一戸建て購入を検討している場合は、家の解体費用は別途必要となりますので注意しましょう。
家を建てる費用に頭金はどのくらい充てる?平均相場はいくら?
新築一戸建てマイホームを手に入れる為には、総費用を考えることももちろん大事ですが、頭金の存在も忘れてはいけません。
最初の資金として準備しておくことで住宅ローンの借入金を少なくすることが出来るため、最終支払額を抑える重要な資金と言えるでしょう。
では、実際にみんなは家を建てる資金として、頭金をどのくらい準備しているのでしょうか?
みんなの頭金はどれくらい?平均相場
当サイトで、世帯年収別に「注文住宅の購入資金として頭金をいくら支払いましたか?」というアンケートを行ったところ、頭金の平均相場は
- 世帯年収500万円の家庭で「300万円以下」
- 世帯年収700万円の家庭で「約500万円」
- 世帯年収1,000万円の家庭で「約650万円」
という結果となっています。
やはり収入が高い世帯ほど、家の購入する際の頭金として貯金をしていることが分かります。
さらに詳しいアンケート調査の結果は、下記の記事でご覧頂けます。
貯金が無い!頭金なしでマイホーム購入は厳しいの?
「家の購入資金として「頭金」の重要性は分かっているけど、そもそも頭金として用意できるほど貯金がない!」という家庭も多いと思います。
頭金として支払える貯金がないとマイホームの購入は難しいのでしょうか?
確かに頭金の準備をせずに住宅ローンの借り入れを行うと、高い金利で貸し出しされ住宅ローンの総返済額が大きくなる為、条件的には厳しくなることは間違いありません。
ですが、実際には頭金ゼロでも家を購入するケースは約26%(参考データ:SUUMO)もあり、決して珍しくないことが分かります。
その中でも、頭金ゼロで借り入れても順調に返済を進めている人の多くは、借り入れる金額と自分の収入のバランスを見ながら「無理のない住宅ローン」を組むように計画を立てています。
無理なく返済していける借入額であれば、家の購入資金を全額ローンで資金調達する選択をしても良いかもしれませんね。
貯金の方法
それでも、手元の資金を少しでも増やしておくことで、家の購入後の生活に大きなプラスになります。
貯蓄が苦手という方も多いと思いますが、
- 収入が入ったら先に貯金するお金を別の貯蓄用口座に移しておく
- 食材の買い物は毎日行かずに何日か分をまとめ買いする
- 携帯電話・水道光熱費などの固定費の見直し
などなど、少しずつでもいいので貯金を始めてみましょう。
家を安く建てるコツってあるの?注文住宅の費用を節約する方法
家を建てる費用は、なるべく安く抑えたいもの。
家を少しでも安く建てるためのコツは、自分の希望に合ったプランを低価格で提案してくれる住宅会社を見つける方法です。
ですが、色んなハウスメーカーや工務店の住宅展示場に見学しに行ったり、話を進めてプランや見積もりの提案を各社にしてもらうのは、「時間と労力」を大きく消費することになりますよね。
そこで利用すべきサービスとして、こちらのような「一括見積もりサービス(無料)」があります。
一括見積もりサービスを利用すると、間取りプランや概算の見積もり金額をあなたの希望や要望を聞いた上で、複数社から提案してもらうことが出来ますので是非試してみましょう。
いきなり住宅展示場に赴くのはちょっとハードルが高いものですが、こちらの無料で利用できるインターネットサービスを賢く利用することで、「まずはどのくらいの費用がかかるのか、ある程度の金額が知りたい」という悩みや、「良い土地の提案や間取りプランの提案が欲しい」という悩みを解決してくれます。
家を建てる費用で1番難しい「資金計画」も提案してもらえるので、家づくりの計画をスムーズに進めていきやすくなりますよ♪
まずはカタログだけで十分という方は、マイホーム購入者の多くが利用しているLIFULL HOME’Sの無料カタログ請求サービスがありますよ。
まとめ
今回は、家を建てるために必要なお金にまつわるお話をご紹介しました。
特に、
- 家を建てる時に必要な費用と内訳
- 建築費用や家の広さの平均相場
- 頭金や予算の平均
- 土地ありと土地なしの費用面の差
- 家を安く建てる為のコツ
こちらの5点については、しっかりと覚えておいてくださいね。
一生に一度の家づくりを成功させる為にも、家を購入するための費用を把握し、無理のない予算計画をするようにしましょう。