軽量鉄骨と重量鉄骨の違いと見分け方!家を建てるならおすすめはどっち?

軽量鉄骨と重量鉄骨の違いと見分け方!家を建てるならおすすめはどっち? 家づくり

鉄骨住宅には、軽量鉄骨で建てられる家重量鉄骨で建てられる家があります。

「注文住宅で鉄骨住宅の家を建てたい」

「鉄骨で建てられた建売分譲住宅(または中古物件)を購入したい」

と考えているあなたであれば、軽量鉄骨や重量鉄骨という言葉を聞いたことがあると思います。

ですが、実際にどのような違いがあるのかについては、まだまだ明確な差を把握しきれていない部分もあるのでは?

実は、軽量鉄骨と重量鉄骨には”鉄骨住宅として共通する部分”も多くある一方で、建物自体の特性や用途、機能性や費用面などで大きく違う部分もあるんです。

そこで今回は、鉄骨造に存在する軽量鉄骨と重量鉄骨の2種類の違いについて、それぞれのメリットやデメリットも踏まえながら解説していきます。

 

「軽量鉄骨で建てる家」と「重量鉄骨で建てる家」の違いを徹底比較!

「軽量鉄骨で建てる家」と「重量鉄骨で建てる家」の違いを徹底比較!

鉄骨住宅については、こちらの『鉄骨住宅ハウスメーカーのメリット&デメリット!価格・坪単価の相場について』で解説していますが、これから一戸建てマイホームの購入を『鉄骨住宅』で検討しているのであれば、「軽量鉄骨住宅と重量鉄骨住宅はどう違うのか」しっかりと把握しておかなければいけません。

また、中古や建売で鉄骨住宅の購入を検討している場合は、売りに出ている物件が軽量・重量なのか見分け方法も覚えておきましょう。

そこでまず始めに、鉄骨住宅に採用されている鋼材の種類である、

  • 軽量鉄骨
  • 重量鉄骨

この2つの鉄骨が持つ性質の違いを比較してみましょう。

– 軽量鉄骨と重量鉄骨の違い [比較表] –

軽量鉄骨住宅重量鉄骨住宅
鉄骨材(鋼材)の厚み6mm未満6mm以上~
主な建築用途戸建て住宅・アパート・小型店舗マンション・高層ビル・商業施設
法定耐用年数19~34年
3mm未満=19年
3mm超~4mm以下=27年
4mm超~=34年
34年
費用
耐久性
耐震性
遮音性
主に採用される工法・構造鉄骨ブレース構造
鉄骨軸組工法
鉄骨ラーメン構造
鉄骨ユニット工法

軽量鉄骨と重量鉄骨の違いとして、上記の比較表のとおり区別されています。

主な違いや分類については上記表で確認できるので、それぞれどのような特徴があるのか何となくは理解できると思いますが、すでに家が建ってしまっている建売分譲住宅や中古物件の場合には鉄骨の厚みを確認することはできませんよね。

ですが、簡易的な見分け方があります。

 

軽量鉄骨と重量鉄骨の見分け方

軽量鉄骨住宅なのか重量鉄骨住宅なのか見分けるためには、まずは売りに出ている物件情報の構造について確認します。

一般的に登記上では、重量鉄骨の場合は『鉄骨造』、軽量鉄骨の場合は『軽量鉄骨造』とされていますが、物件情報では稀に軽量鉄骨にもかかわらず『鉄骨造』とのみ記載されていることがありますので注意しましょう。

最も確実なのは、その販売業者や施工したハウスメーカーに聞く方法ですが、3階建て以上であれば重量鉄骨、内覧の際に歩く振動や揺れを多少なりとも感じるのであれば軽量鉄骨、というように見分けることも可能です。

イエティ
イエティ

軽量鉄骨と重量鉄骨の見分け方が分かったところで、次は鉄骨の種類によってそれぞれどのような特徴があるのか、メリット・デメリットについてもう少し深掘りしながら詳しく見ていきましょう!

 

軽量鉄骨/軽量鉄骨住宅とは?

軽量鉄骨/軽量鉄骨住宅とは?

軽量鉄骨は、鋼材の厚みが6mm未満となる鋼材のことを指します。

 

軽量鉄骨住宅の特徴

鉄骨部材の薄さから、平屋や2階建てなど低層住宅の建築に適していますが、最近では技術の向上により軽量鉄骨の3階建て住宅も多く見かけるようになりました。

一方で、軽量鉄骨住宅は主に『筋交い(斜めに通した部材=ブレース材)を入れてフレームを補強する”耐力壁”』を設ける『鉄骨ブレース構造(鉄骨軸組工法)』で建てられます。

 

軽量鉄骨住宅のメリット

軽量鉄骨の主なメリット
建築費用が重量鉄骨に比べて安い
耐震性能が高い
工場生産のため品質が安定している

軽量鉄骨は、『鋼材の厚みが薄い』『工場での完全工業化による大量生産』などの理由でコストが抑えやすく、重量鉄骨や鉄筋コンクリート(RC造)に比べて安い価格帯で建てられるので、これから注文住宅を検討している方にとっては予算面で大きなメリットがあります。

また、工場で成型されるため木造住宅に使用される木材と比べ品質が安定しやすく、建材によって構造体の良し悪しが左右されるという心配がありません。

 

軽量鉄骨住宅のデメリット

軽量鉄骨の主なデメリット
重量鉄骨に比べて間取りやレイアウトに制限がかかりやすい
防音性・遮音性を高めるなどの注意が必要
室内の振動による音には対処しづらい

軽量鉄骨住宅の建築で多く採用される鉄骨ブレース構造は、柱や梁(はり)の本数が多い鉄骨軸組工法を採用するので大きな間取りを設けづらいデメリットがあります。

ですが、ハウスメーカーによっては軽量鉄骨住宅でも鉄骨ラーメン構造によるユニット系プレハブ工法を採用していることもあるので、大空間や大開口な間取りを希望している方は『ミサワホームトヨタホーム・セキスイハイム』などを候補に入れてみて下さい。

また、鉄骨住宅は木造住宅よりも音がうるさいと感じることは少ないと言われているものの、やはり重量鉄骨と比べると防音性や遮音性は低くなりやすいです。

外からの車の音や人の声や各部屋の音漏れなどが気になりそうであれば、多少コストはかかりますが防音対策を施しておくと、併せて断熱性も高めることも可能になりますよ。

 

重量鉄骨/重量鉄骨住宅とは?

重量鉄骨/重量鉄骨住宅とは?

重量鉄骨は、鋼材の厚みが6mm以上となる鋼材のことを指します。

 

重量鉄骨住宅の特徴

この鋼材の厚さだけでも高い強度が得られるのですが、さらに重量鉄骨で建てる戸建て住宅は『柱や梁(はり)を剛接合(溶接)で完全に一体化させたフレーム構造となる”鉄骨ラーメン構造”』で建てられるため、靭性(ねばり強さ)のある躯体で耐久性・耐震性ともにとても優れた家を建てることができるのが特徴です。

また、重量鉄骨を使った強靭な構造は『3階建てや4階建ての高層住宅』の建築に向いているので、都市部など広い敷地を確保できないような狭小土地でも、高さのある家を建てることで快適な住環境を手に入れることが出来ます。

 

重量鉄骨住宅のメリット

重量鉄骨の主なメリット
ラーメン構造によって『大空間・大開口』の広い室内や自由な間取りが可能
家を建てたあとでも間仕切りを取り外すなどライフスタイルに合わせてリフォームしやすい
軽量鉄骨住宅に比べて防音性・遮音性に優れている

非常に頑強な構造体を持つ重量鉄骨住宅では“筋交いでの補強”が不要になり、柱と柱の間隔(スパン)を大きくとることができます。

標準スパンでも10メートルから20メートルとビッグスパンの間口を設けることが可能なので、広々とした大きなリビングはもちろん部屋の端から端まで窓を大きくとった大開口など、開放感のあるマイホームを叶えられるメリットがあります。

ちなみに、建物を柱だけで支える特性を活かした間仕切りの設置や取り外しも可能なので、例えば幼少期は大きな1部屋の子供部屋にしておいて思春期以降は2部屋に分割、逆に建築時は子供部屋を2部屋にしておいて子供が巣立ったら大きな1部屋に統合するなど、将来のプチリフォームやリノベーションも視野に入れて間取り設計するのもおすすめです。

もう1つ軽量鉄骨との違いを挙げると、防音性や遮音性が少し上がります。

重量鉄骨は、柱や梁の強度が高くなるぶん壁や天井に厚みをとることで音が伝わりにくくなりますし、肉厚な骨組みが低音まで吸い取りやすく高い強度によって振動による音も軽減されます。

 

重量鉄骨住宅のデメリット

重量鉄骨の主なデメリット
建築費用が軽量鉄骨に比べて高い
重量があるため地盤強化や基礎構造にコストがかかる
耐用年数が長いため固定資産税の下がり方が遅い

重量鉄骨で特に注意したいのが、建築費用やそれに付随する付帯工事費などのコスト面です。

軽量鉄骨とは違い、重量鉄骨は厚みがある上に成型コストが高くなるため資材費が増すのは当然ですが、建物自体がとても重くなるので土地の地盤強化や基礎工事をしっかりと行う必要があり、全体的な建設費用大きく膨れやすくなります。

 

新築一戸建てを建てるなら軽量鉄骨と重量鉄骨どっちがおすすめ?

注文住宅を鉄骨造で建てたいと考えているなら、軽量鉄骨と重量鉄骨のどちらを選べば良いのか悩みますよね。

結論から言うと、あなたがどんな家を建てたいかによって適している鉄骨が変わってきます。

軽量鉄骨と重量鉄骨の違いはここまでお伝えした通りですが、それぞれの希望を叶えるために最適な住宅の種類をQ&A形式でまとめてみました。

 

あなたの家づくりに最適な鉄骨の種類は?

Q1.建築費用を少しでも安く抑えたい!A.軽量鉄骨住宅
Q2.平屋住宅・2階建て住宅を建てたい!A.軽量鉄骨住宅
Q3.3階建て以上の家を建てたい!A.重量鉄骨住宅
Q4.資産価値の高さで選びたい!A.重量鉄骨住宅
Q5.固定資産税は安い方がいい!A.軽量鉄骨住宅
Q6.広々とした空間の間取りにしたい!A.重量鉄骨住宅・軽量鉄骨住宅
Q7.耐震性能で選びたい!A.重量鉄骨住宅・軽量鉄骨住宅

Q1.建築費用を少しでも安く抑えるなら?

A.軽量鉄骨住宅

建築にかかわるすべての費用を少しでも抑えたいのであれば、軽量鉄骨住宅の方が安くすみます。建材費・地盤改良や基礎などの工事費用など、重量鉄骨では様々なコストが高くなります。

Q2.平屋住宅・2階建て住宅を建てるなら?

A.軽量鉄骨住宅

平屋や2階建てまでの一戸建て住宅を建てるのであれば、庇(ひさし)が建物から何メートルも付きだすような奇抜な外観やレイアウトにしない限り、強度や費用の面でも軽量鉄骨で十分です。また軽量鉄骨は柱の太さが小さくなるので、重量鉄骨と比べると内寸(延べ床面積)が大きく取りやすくなります。

Q3.3階建て以上の家を建てるなら?

A.重量鉄骨住宅

3階建てからは重量鉄骨の方が強度の問題から好ましいです。強靭な躯体が必要となる高層住宅では重量鉄骨を選びましょう。

Q4.資産価値の高さで選びたい!

A.重量鉄骨住宅

軽量鉄骨と違い重量鉄骨は耐用年数がかなり長いです。かと言って耐用年数=資産価値の高さではないのですが、耐震性能や耐久性の高さはもちろん、主にラーメン構造で建てられるためリフォームのしやすさも資産価値に換算されます。将来的に売却や賃貸への転用も見込んで家を建てるのであれば、1つの参考として留めておきましょう。

Q5.固定資産税は安い方がいい!

A.軽量鉄骨住宅

マイホーム購入後に毎年支払うことになる固定資産税は、重量鉄骨と比べて軽量鉄骨の方が安くすみます。これは耐用年数が軽量鉄骨の方が短いためで、例えば2,000万円の建物を建てた場合、鋼材の厚み3mm以下で耐用年数が19年になりますので、一年で105万円も価値が下がり翌年には建物の評価額は1,894万円。同じ2,000万円の建物を鋼材の厚み6mmの重量鉄骨で建てると、耐用年数は34年になりますので一年に59万円ほどしか価値が下がらず翌年の建物の評価額は1,941万円。このように重量鉄骨の方が価値が下がるスピードが遅く、それに伴い固定資産税も高くなります。

Q6.広々とした空間の間取りにしたい!

A.重量鉄骨住宅・軽量鉄骨住宅

大空間・大開口の家を建てたい場合、重量鉄骨でも軽量鉄骨でも実現することができます。軽量鉄骨は主に『鉄骨ブレース構造』で建てられるために間取りの自由が制限されやすいのですが、ハウスメーカーによっては軽量鉄骨での鉄骨ラーメン構造を採用している会社もあり、軽量鉄骨でも壁や窓などの造形の自由度を高めた家づくりが可能です。

Q7.耐震性で選びたい!

A.重量鉄骨住宅・軽量鉄骨住宅

軽量鉄骨と重量鉄骨では、その素材の強度だけでは耐震性の優劣を判断することは出来ません。耐震等級という耐震基準があるので、その基準をどれだけ満たしているかでどのくらいの地震にも備えられる家となるのかが分かります。とはいえ、やはり重量鉄骨の方が厚みのある鉄骨で建てられるため躯体がダメージを受けるリスクは少なく、より安心感のある家を求める場合は重量鉄骨を選ぶと良いでしょう。

 

基本的には軽量鉄骨がおすすめ

これから新築で注文住宅を建てる場合、上記の選定基準で判断すると家づくりで失敗しにくくなります。

また、もう一歩踏み込んでお伝えするならば、鉄骨造を前提に一般的な家を建てる場合は『軽量鉄骨』の検討から家づくりを進めていくといいでしょう。

その上で、軽量鉄骨では実現できないような間取りやレイアウト・住宅性能を叶えたい場合に、『重量鉄骨』という選択肢の検討に入っていくとスムーズに計画を立てていくことが可能になりますよ。

あなたのマイホーム計画と相性が良い鉄骨の種類が知りたい場合や、軽量鉄骨と重量鉄骨でどのくらい間取り設計や予算に差ができるのか知りたい場合は、下記オンラインサービスの『タウンライフ家づくり』を活用しちゃいましょう。

希望の条件を簡単に入力して送信するだけで、色んなハウスメーカーから『見積もり金額』・『間取り図』・『土地探し』とあわせてパンフレット等の資料まで無料でもらえますよ。

 

軽量鉄骨・重量鉄骨で建てる鉄骨系ハウスメーカー

実は、ほとんどのハウスメーカーや工務店では木造住宅のみの取り扱いとなっているので、鉄骨系ハウスメーカーは数が少なく見付けるのが大変だったりします。

そこで最後に、軽量鉄骨・重量鉄骨で家を建てることができる全国区のハウスメーカーを一覧でまとめましたので、あなたの家を建ててもらうハウスメーカー選びに役立てて下さい。

鉄骨住宅の特徴や、坪単価の相場などの価格面については、下記記事で詳しくご紹介していますのでよかったら合わせて読んでみて下さい。

 

軽量鉄骨ハウスメーカー

– 軽量鉄骨で家を建てられるハウスメーカー –

ハウスメーカー名構造
トヨタホーム
公式HP
鉄骨ブレース構造
鉄骨ラーメン構造/鉄骨ユニット工法
ミサワホーム
公式HP
鉄骨ラーメン構造/鉄骨ユニット工法
セキスイハイム
公式HP
鉄骨ラーメン構造/鉄骨ユニット工法
積水ハウス
公式HP
鉄骨ブレース構造
ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)
公式HP
鉄骨ブレース構造
パナソニックホームズ(旧パナホーム)
公式HP
鉄骨ブレース構造
ダイワハウス
公式HP
鉄骨ブレース構造
サンヨーホームズ
公式HP
鉄骨ブレース構造

トヨタホーム・ミサワホーム・セキスイハイムは、軽量鉄骨ですが鉄骨ラーメン構造を採用することで、重量鉄骨のように広い室内を叶える家づくりができる特徴があります。

その他のハウスメーカーは、柱と柱の間に筋交いを入れるブレース構造となり、間取りの自由度ではなく免震システム・制震システムでさらに地震に強い家づくりに力を入れている印象です。

 

重量鉄骨ハウスメーカー

– 重量鉄骨で家を建てられるハウスメーカー –

ハウスメーカー名構造
ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)
公式HP
鉄骨ラーメン構造
パナソニックホームズ(旧パナホーム)
公式HP
鉄骨ラーメン構造
ダイワハウス
公式HP
鉄骨ラーメン構造

重量鉄骨で注文住宅を建てようと思うと、上記3社しかありません。

どのハウスメーカーも鉄骨ラーメン構造で強靭な躯体を組み上げて、3階建て以上の高層住宅向けとして重量鉄骨住宅を展開しています。

やはり家の高さが出てくる分、各社とも地震の揺れによるエネルギーに対して様々なシステムで対策をしていますので、是非ホームページを見て比較してみて下さい。

 

まとめ

同じ鉄骨造で建てる家でも、どのような家を建てたいのかによって、軽量鉄骨にするのか重量鉄骨にするのか選び方が大きく違ってきます。

  1. コストを抑えたいのであれば軽量鉄骨
  2. 3階建て以上の家を建てたいのであれば重量鉄骨

まとめると、上記2点につきます。

大空間・大開口の間取りレイアウトは、今では重量鉄骨だけでなく軽量鉄骨でも叶えられるハウスメーカーがありますので、その点に大きな違いは無いと言っていいでしょう。

どのような家を建てたいのかによって建物の構造を決めていくことになりますが、木造住宅ではなく鉄骨住宅で検討していくのであれば、今回の記事を参考に軽量鉄骨と重量鉄骨の違いを把握しておきましょう。